朝6時。かなりよく眠れたようだ。固い床に2枚の毛布、という環境はあまりよくはなかったが、昨日のだるさはほとんどとれたようだ。筋肉痛が残っているが、まあこれはいつものこと。顔を洗って飲み物を飲み、多少頭もすっきりしてきた。着岸は6時半のはずだから、あまりゆっくりしている時間もない。 と思ったら、ちょっと遅れて、7時過ぎに東予港についた。まあ別に急いでいるわけではないし、早朝の寒いなかをあまり走らずにすむのだからむしろラッキーだったかもしれない。 着岸後、車両甲板(しゃりょうこうはん。字、あってるかな)へ移動。ところ狭しと並んだトラックや乗用車が一斉に排気ガスをだす。目があけられないくらいすごい。息をするのも苦しい。車に乗り込んでいる人は気にならないだろうけど、自転車で移動しているぼくらはかなりつらい。こんな環境に長くいたら喘息にでもなってしまいそうだ。フェリーで働いている人は平然としているが、これは慣れの問題なのだろうか? しばらくしてやっと車が動きだし、やっと救われた。外に出ると、「ああ、空気ってこんなにおいしいものだっのか」という感じだ(ちょっと大げさか(笑))。気持ちよくハイペースで走り出した。港からの道がわからなかったが、適当に車が流れていくほうにいくことにした。たぶん11号線に向かう車が一番多いに違いない。 さて、11号線に到着。道をわたる場所がなくて無理やりわたったような記憶があるが、どうだったかなぁ。途中の記憶が鮮明すぎてその前後がちょっと曖昧だ。まだ昨日の疲れが多少残っているのか、あるいはまだ体が起きていなかっただけなのかもしれないが、いまいち調子がでない。お腹が減ってコンビニでパンと牛乳を買った。牛乳を飲んだら、目がさえた(笑)。 そこからしばらくは平坦な道で、とくに何事もなく進んだ。ぼくは地図をみていなかったので、「このままだーっと走れば松山かな」と思っていた。 そうそう、昨日のエピソードの話を忘れるところだった。続きを書く前にその話を書いておこう。ぼくはその現場を自分でみたわけではないのでちゃんと面白さが伝わるかどうかちょっと自信がないが、昨日書くと宣言してしまったので、がんばって書くことにする。 ぼくはすぐに寝てしまったのだが、ろらはなかなか寝付かれずしばらく起きていたらしい。と、2等の同じ部屋のなかにかなり酔っていた(酒で)おっちゃんがいて、寝言をぶつくさとしゃべっている声が聞こえる。ろらを含めその部屋でまだ起きていた人達は「うるせぇなぁ」と思っていたことであろう。すると、突然、そのおっちゃん、「くるならこんかいっ!!」と叫んだ。部屋で寝ていた人もその大声で「ぴくっ」と反応(ぼくは熟睡していたので反応しない(笑))。部屋中に緊迫した雰囲気が漂った。 自分の声でそのおっちゃんも目覚めたらしく、「お、地震か?」と一言。その隣で寝ていたおばちゃん(たぶんこのおっちゃんの奥さんと思われる)、「船やで、船」 おっちゃん「お、船かぁ」 桜三里。名前のとおり、春になれば道の脇にある桜並木がきれいな、車で走れば快適な道かもしれない。が、まだ2月下旬、冬。桜が咲いているはずもなく、自転車で走るには結構な峠である。 道が左にカーブして徐々に上り始めた。いやな予感。このいやな予感は見事に的中し、そこから先数キロ、延々上り坂。 上り途中の喫茶店で休憩。朝食にしよう。喫茶店のおばちゃんは京都の右京区の出身らしい。そんなこんなでいろいろ話を聞くと、今日は急に寒くなったんだそうな。ふむ、どうりで寒いわけだ。それから、ここから先まだまだ坂が続くんだって…。ふう。 店を出てしばらく走っていたら、何か白い物体がちらほらと舞っているのに気付いた。最初、なにか細かいごみでも舞っているのかと思ったら、なんと、雪だ。最初は舞っている程度だったのが、だんだん激しくなってきた。しかし休む場所もなく、とにかく走るしかない。「四国も雪が降るんやねぇ」などと悠長なことを考える余裕もない。コートや手袋に雪が積もっていく… 峠を越えると今度は下り坂。こがなくていいのは楽だが、無茶苦茶寒い。眼鏡にも雪がついて見通しも悪いし、とにかく、はやく雪がやんでくれるのを祈るしかない。 桜三里を抜けると、雪はやんでいた。というより、こちらには雪の降った形跡もない。いやはや、とんだ峠であった。 そこからは町中の道で、別段走りにくいこともなかった。GINさんに電話して、待ち合わせ場所を確認。電話してから30分くらいで、やっとGINさんに会うという1つ目の目標を達成することができた。ふう。 今日はGINさんのところに泊めてもらうことになっているので、もう走る必要はない。とりあえずは一安心、である。まだ11時くらい、だったかな。 まずはGINさんのところにおじゃまさせてもらって、いろいろおしゃべりしてから、昼食を食べに出かけた。その足で道後温泉にいくことにして、GINさんとしばしのわかれ。その間にぼくとろらの寝場所を確保してくれるとのことだ。 昼食を食べて、温泉へ。昨日は風呂にはいることができなかったので無茶苦茶うれしい。路面電車に揺られ、温泉に向かう。なかなかいい感じだ。 道後温泉に到着。どこかの宿のおばちゃんらしき人に「宿はお決まりですか?」と聞かれた。大荷物だったからかなぁ、やはり。とりあえずもう決まっているので、「はい」と返事。 さて、温泉、温泉。いろいろ階級(?)があるのか。ふむふむ。迷う間もなく、一番安いのに決めた(笑)。600円、だったかな。それでも結構高い気もするけど、京都で銭湯にいくと300円だったりするから、それを考えたら安いものかもしれない。 2階に上がって貴重品を預け、さっそく風呂へ。いやー、極楽極楽。二日間の汚れも疲れも一度にとれてしまうって感じかな。しばらく湯船につかってぼーっとして、あがってまたぼーっとして。着替えて2階に戻ってお菓子を食べて、お茶を飲んで… どうも、その部屋には1時間しかいられないらしい。長居するのもなんなので、適当にして帰ることにした。ぼくはだいぶ元気だったのだけど、ろらはかなり眠たそうだった。昨日のフェリーであまり眠れなかったらしいので、当然といえば当然かもしれない。また路面電車に乗って、GINさんのうちまで戻った。1人分の寝床は確保されていて、布団を敷いてもらうとろらはあっという間に寝てしまった。 ぼくはまだ元気だったので、GINさんといろいろしゃべってゲームして…、ビールを飲んで…としていた。するとろらが起きてきて、パラッパラッパーをした。ぼくは4面がクリアできなかった…。むずいっすよ〜。 と、そのあとcatさんも交えて4人で食事にいき、お酒とつまみを買ってきて…、宴会モード。いやー、楽しかったです。ちゃんとぼくの寝場所も確保されて、寝ることができました。おやすみなさ〜い。 |