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阿蘇へ

8月7日 (14日目)

 7時半、朝食で目覚める。雨の音は、しない。外をみると晴れ間もみえる。ひょっとしたら走れるかも…。
 起きて、朝食。ニュースでは、今日は何とかもつらしいとのこと。思ったより台風の進むのが遅くて、まだ影響はないらしい。ずっと停滞していた前線も、今日はちょっと北のほうに移動してくれたようだ。よかった…。阿蘇までは50kmくらい。坂がちょっときついかも知れないが、雨でなければなんとかなるだろう。
 外は、暑い。晴れているなかを走るのは久しぶりだ…。萩から北九州に向かった日以来だよな…。九州に来てからはまだ晴れていた日がなかったのですごくうれしい。うれしくて(?)日焼け止めを塗るのを忘れて出てきてしまったが、なんとかなるかな…?
 出発して、すぐ、国道57号線を見つけるのにちょっと苦労した。が、まあ、なんとかみつけて、57号線を走る。道はだいたい平坦で、走りやすい。風は向かい風だったけど、だいたい20km/hくらいのペースで。が、暑くて汗がすごい…。汗が目に入ったりして何度も止まって汗を拭いて…。まつげの上で止まった汗が眼鏡のレンズに落ちて来たりすると、なんかものすごくくやしい。暑くてたまらないのでコンビニでも何度も休んだな…。
阿蘇外輪山 が、まあ、それでも、結構いいペースで走ることができ、1時過ぎには阿蘇町に到着。上ったり下ったり多少高低はあるが、それほどきつくはない坂ばかり。地図を全然みずに走っていたので気付かなかったのだが、知らないうちにカルデラのなかに入っていた。どうも、西側には川があって、そのせいで結構山が低くなっているみたい。鉄道もそのあたりを走っているから、電車が走れるくらいならたいした坂ではないはず。
 ああ、阿蘇。やっと目的地に到着だ。周りの山はほんとに同じくらいの高さで延々続いている。なんかすごいなぁ…。右は、その外輪山の一部。パノラマ写真とかとれたらよかったんだけど、ただの使い捨てだからそんな機能はないし。こんな写真では阿蘇の雰囲気は伝わらないよな…。うーむ。

 途中で昼食をとって、YH到着は2時ごろ。かなり早かったなぁ。これからどうしようかちょっと考えたが、やはり、ここまで来て阿蘇に登らないという手はないだろう。バスとかで登ることもできるらしいが、やはり自転車で…と思ってしまうあたりがぼくらしいといえばぼくらしい。YHに荷物を置かせてもらい、タオルと飲み物とカメラだけもって山へ向かう。そうだ、YHのおばちゃんに地図と水の入ったペットボトルをもらったんだった。ありがたい。
 山頂までは16kmくらいらしい。結構しんどいかも知れないけど、坂はそれほどきつくはないそうなのでなんとかなるかなぁ。荷物もないし。日焼けのほうは、やはり膝の上が少しひどいみたい。赤くなっていて、結構痛い。まあ、あとは山を登るだけだから…。
 最初は荷物もなくなったし、そこそこのペースで軽快に走ることができた。が、やはりずっと坂というのはつらい。汗も止まらない。途中から休み休み。ふう、大変だ。走っていると、バイクの人とすれ違って、手でがんばれと合図を送ってくれたのがすごくうれしかった。
阿蘇登山道より そういえば、登山道は、有料。自転車(軽車両)は120円なり。そのへんから、下のほうにある阿蘇の集落と、その向こうにある外輪山がよく見えるようになってきた。そこらに牛もたくさんいる…(左の写真の真ん中へんに茶色く見えているのが牛です)。この道には「牛馬優先」という標識がたっていたりしてびっくりした。なんかすごいところだなぁ。しかし、ここまで登っても、山頂は遥か上のほう。
 暑くて、しんどくて、本当に何度も何度も休みながら、なんとか草千里展望台というところについた。車がたくさん止まっていて人もたくさんいる。駐車スペースのようになっているところに自転車を止めて、ふう、やっと落ち着ける。と、休もうと思ったら、家族連れに声をかけられて、しばらくいろいろ話した。京都から自転車で来たというと、かなり驚いていた。彼らは岡山から車で来たそうで、それでもしんどいといっていたな。まあ、ぼくは2週間もかかっているしなぁ…。別れ際に、「喉が乾くでしょ」と、ジュースを2本くれた。うれしかった。
 さらにここから火口へ向かう。火口へ向かうのには、一度ちょっと下って、草千里の横を通る。ここは古い火口だそうで、その周りの部分が展望台になっているそうだ。道を挟んで反対側に売店とかレストランがあり、そこでジュースを買ってまた少し休憩(註:ここでもらったジュースを飲まなかったのは、もらったのが炭酸飲料で、しかもちょっとあたたまってしまっていたから)。ここからまだ少し下り坂だけど、すぐ上りだからな…。草千里にも、牛とか馬とかたくさんいた。乗馬なんかもできるみたいだったな。
 さて、先へ。途中、牛が道路を横断していて、車が待っているという風景に遭遇。牛馬優先の道なんだから当然なのだが、なんか妙にシュールだ。その風景を写真にとりたかったが、間に合わなかった。しばらく下って、さて、上りだ。ロープウェイの登り口まで到着。YHのおばちゃんに、ロープウェイの脇に道があると聞いていたので、迷わずそっちに向かう。有料道路だったが、自転車は無料だった。まあ、自転車で登ろうと思うやつなんてなかなかいないだろうしな…。
 が、その道、ほんとうにきつい。立ってこがないと登れないくらい、きつい。車がくるとこわいから止まって、通りすぎたら少し進んで…。ここは、やはり、歩いて登るべきだったかもしれないなと少し後悔した。が、まあ、せっかくだし、火口まで自転車でいきたいよね…(笑)。
阿蘇火口 苦労してなんとか火口に到着。駐車場に自転車を止め、火口まで歩く。火口の写真を1枚とったところでいきなりフィルムがなくなり、慌ててもう一つカメラを購入。と、カメラ屋のおっちゃんがぼくの写真を撮ってくれた。なるほど、こういうところで買うとそういうサービス(?)が受けられるんだ。しかし、なんかちょっと無駄が多いかも知れない。うむむ。右は、阿蘇の火口の写真。ずっと走ってきた緑に覆われたところとはうって変わって、やはり「火山」だということを実感させられる。
 火口近くにはいくつか店が出ていた。硫黄とか売っているのにはびっくりした。粉のやつを風呂にいれたりするといいらしいが…。
 火口のあたりをしばらくぶらぶらした。なんか面白そうな石とか落ちてないかなと思ったけど、特になにも見つけられなかったな。硫黄とか落ちてたら感動だったんだけど(笑)。結局、軽石を1つ拾っただけで、火口をあとにした。足の日焼けも痛いし、YHに戻ってローションを塗ろう。もう5時近いし、暗くなる前に戻りたいし。
 帰りは、無茶苦茶楽。だーっと下って、少し上って草千里に到着。寄らずに帰るのもなんだし、せっかくだからと湖のほうに少しぶらぶらと歩いてみた。なんかそこらに牛のふんとかたくさん落ちていて、こわい(笑)。写真も何枚か撮った。湖の写真を撮ったら、意外ときれいに写っていた。よかった。また少し上って展望台。ここから一気に下り坂だ〜。
 ずっと40km/hくらいのスピードで走った。車はあまり多くなくて結構いい感じ。まあ、この時間から登ってくる人もいないだろうし、結構スピードが出ているから追い抜いていく車もたまにしかこない。でも、カーブも急だし、このくらいの速度が限度かな。これ以上だしたらカーブで曲がりきれないし。
 そういえば、途中で、バンが追い抜いていって、クラクションをならしたのでなんだろうとみると、展望台であった家族連れ。子供が手を振ってくれて、すごくうれしかった。こっちも手を振りたかったけど、手を離したらこけそうだったので、首を振るくらいしかできなかったな。
 帰りは、30分と少しくらいでついてしまった。一気に下ったせいで、ちょっと耳がおかしくなった。600mも下ると、やはり気圧差もあるようだ。自転車で走っていてこんなことになるなんて、なかなかできない体験かも知れないな。YHについたのは5時半くらい。お礼をいってペットボトルを返して、荷物をもって部屋へ。そうだ、もらったジュースを冷蔵庫に入れさせてもらったんだった。

 さて、風呂風呂…、が、いたたたた…。足がやばそうなくらい痛いぞ…。結局湯船には入れず、まいったなぁ。風呂からあがってもらったジュースを飲んで部屋でゆっくりしていると、小原さん(茨城からバイクできたそうだ)が来て、少し話していると飯の時間。食堂は、YHから少し歩いたところにあって、そこまでいって、夕食。今日も結構走ったからお腹減ったぁ〜。オランダ人の人が二人と、小原さん、尾崎さん(奈良から車で来たそうで、ここに車を置いてここから自転車で長崎とかいこうと思っているそうだ)とぼくで食事。
 飯のあと、湯本さん(どこからきたといっていたか忘れてしまったが、彼もバイクだった)が来て、4人で温泉にいこうという話になり、尾崎さんの車でいざ温泉へ。阿蘇駅前の「夢の湯」ってところ。足が痛いのが大丈夫かなと思ったけど、やはりあまり大丈夫じゃなかった。膝をつけると飛び上がるくらい痛いので、しかたなく膝がつからないように足だけ…。露天風呂みたいになっているところもあってなかなかよかった。風呂場で、大観峰というところの話を聞いた。なんでも、阿蘇の外輪山が全部みられるという場所らしい。いってみたいが、自転車ではつらいかな…。
 帰りにビールとボンボンアイスとかいう怪しげな食べ物を買って帰った。YHに戻ると、鈴木君(太宰府でも会った)と駒田君が来ていた。食堂でアイスを食べながらしばらく話して、部屋に戻ってビールを飲みながら、さらに話した。それで、明日の早朝に大観峰まで尾崎さんが車をだしてくれるということになった。5時半起きとなると早く寝なければ、と思ったけど、しばらく話していてなかなか眠れなかった。

この日撮った写真

阿蘇登山道 阿蘇登山道。牛馬優先。こんな道が延々と続く…。
草千里展望台から、草千里の逆側を望む。真ん中に見えるこんもりとした山にはなんか名前がついていた気がするが、失念。
草千里展望台より、草千里。
登山道途中から阿蘇火口を望む。火口は遥かかなた。火口付近だけ、周りとまったく雰囲気が違うのがすごい。
阿蘇火口より、登山道側を望む。真ん中あたりに黒い短い縦線が2本くらい見えると思うが、それがロープウェイの柱。
阿蘇火口でのぼくの写真。この旅行で撮った写真のなかで、ぼくが写っているのはこれだけ。カメラを買ったらカメラ屋のおっちゃんが撮ってくれたもの。膝の日焼けが痛々しい。
火口付近。なんか、地層みたいになっているのが不思議で撮ったのだが、なんだかわかりにくい写真になってしまった。
同上。
火口付近より登山道側。上のほうにある写真と似たような写真だが…。左側に見えている道が登山道で、この道はやたらときつい。
草千里。湖付近から、湖。この写真が、この旅行の写真のなかでいちばんきれいかな。湖の青い色がすごくきれいにでていて感動した。
草千里のとなりの火口だったかな? たしかそのあたり。こういう風景の場所は結構あったような気がする。いいところだなぁ…。

走行距離:85km/走行時間:9時間

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