By PHILIP HARPER
受賞した英勲。京都を拠点とする齋藤酒造からの金賞酒。齋藤酒造は、年に一度の全国新酒鑑評会において 10年連続で金賞を獲得した唯一の醸造所である。一吟は 2007年に栄冠を勝ち取った。
栓をはずした瞬間、華々しい芳香が瓶からどっと流れ出す。[アニシード] やパイナップルの星の大爆発に続く、西洋なしやメロン、軽く熱帯性でない果物のより控えめなシャワーのように。
より鋭い要素が続く。摘み立ての花、しゃれたペパーミント。そして春のにわか雨のあとの空気のようなもう一つのさわやかな香り。嗅覚器官の花火大会の中ですみれとバラの花びらの気配が特徴づけられるが、またしかし、この可憐な、小さな爆発はすぐにリコリスとパイナップルのメガトン級の爆発に飲み込まれてしまう。あなたはこの酒を指ぬきサイズの杯で飲みたいとは思わないだろう。最も鋭いガラス製品を持ち出し、この芳香に「おお」とか「ああ」とか言う準備をするのだ。
口の中では、鼻の頭で起こった芳香の超新星爆発と同じことはないが、アニスとパイナップルの組み合わせが、思った通り、再演される。風味の結晶構造が、大吟醸のウルトラ芳香に共通する堂々とした苦み成分に先導され、ここで、ちょうどよく謙虚な甘みと調和するのだ。甘みは最後に弱まり、口の中に苦みだけが残る。柔らかな舌触りは魅力的な質感を提供し、この慎みのない香りを支えている。
私が試飲したものは齋藤酒造とその英勲ラインの 10年にわたる成功を達成した名誉の印として持ち帰られたものと同じものから数量限定で瓶詰めされたものである。そのため今すぐにこれと同じものが棚に展示されているのを見つけることはできないだろう。しかしながら、英勲の一吟という製品(720ml ボトルで 4,985円+税)は同じように作られており、瓶詰めされた花火を好む人なら簡単にそれを見つけることができるはずだ。
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