暗峠(くらがりとうげ)。話によると、かなりきつい峠であるようだ。ぼくのもっている地図で場所を確認すると、「車両通行不能」と書いてあり、峠付近の道は点線で書かれている…。
どんなところなのか見当もつかないが、場所としては結構手ごろなところにある。ふらっと出かけるにはなかなか適当な所かもしれないな。
暗峠は、奈良と大阪をほぼ直線で結んでいる国道308号線にある。ちょうど奈良と大阪の境(市でいえば奈良県生駒市と大阪府東大阪市の境)のところ。生駒山の山頂から、南に1.5kmくらいいったあたりにある。
3月17日午前8時。朝からちょっと調子がよかったので、暗峠のほうにいってみることにした。適当に朝食をすませて、午前8時、出発。
奈良までは24号線を走ればつく。24号線は紀伊半島にいったときの帰りに山城町から北は走っているから、すでに知った道、である。ところどころ細くなっていたりして走りにくいところもあるが、まあ、概してちゃんとした道だ。まずまずのペースで、宇治、城陽を通って山城町まで到着。ここに163号線との分岐点がある。津に向かう道である。163号線の逆側(大阪に向かうほう)は、木津町で分岐する。帰りは大阪から163号線を走って、一応163号線を全部走ったことにできるかもしれないな、と思った。まあ、そこらへんは、大阪についたときに決めればいいんだけど。
11時、奈良到着。ここまで約40km。3時間か…、ちょっとペースが遅いかな。帰りのこともあるし、できるだけはやいペースで走っておかないとな、とちょっと思う。昼食にはまだちょっと早いので、どんどん先へ進むことにした。
近鉄奈良線の上を越える。高架になっていて、そちらに進む。もうすぐ308号線との分岐点のはず。と、高架の途中でさらに分岐。片方は下におり、もう一方はそのまま進むらしい。下に降りたほうには、369号線と書いてある。地図によれば308号線との分岐点はまだ先のはずだから、ここで下りるのは間違っているのかもしれない。そう思い、なんとか先に続いているほうに進んだ。そうしてしばらく走って、下におりる。下を走っていた道と合流。なかなかわたれず苦労した。
さて、308号線との分岐点を探さねば。しばらく道の右を確認しながら走ったが、それらしいものは見当たらない。たしかに途中で行き止まりになっているのかもしれないような道だから、扱いが低いのかもしれない。が、それにしても見つからない。交差点で地図を確認すると、すでにかなりいきすぎていた。。。
しかたなく、戻る。いつのまに分岐点を過ぎたのだろう。ひょっとしたら、高架の上を走っているあいだに通りすぎてしまったのかもしれない、と思いながら戻ってみるとやはりその通りであった。素直に369号線と分岐するほうに進んでいればよかったらしい。3キロぐらいロスしてしまったが、まあたいしたことはない。道も見つかったし、よかったよかった。
308号線、最初しばらくはちゃんとした道で、途中、県道1号線と分岐。分岐点から急に細くなった。県道1号線に向かう道のほうが太いぞ。分岐点付近でトラックが対向車とすれ違えなくてしばらく立ち往生。この先こんな道がずっと続いているのかと思うと気が重い。
道が狭いことを除けば、なにも問題なく走ることができた。上り坂もなく調子よく進んだ。途中でちょっと休憩。喉が乾いたので飲み物を飲む。ふー。大阪に抜ける手前に生駒市というところがあるらしいから、そこらあたりで昼食にしようかななどと考えながら、先へ。と、ちょっと走っていきなり上り坂。なんだ、なんだ。暗峠まではまだ10キロ以上あるはずなのだが…。10キロ延々上り坂なのか…?
にしても、坂がきつい。 一番軽い段にして、かろうじて上ることができるかできないか…というくらいの坂。しんどい思いをしながら走っていると、後ろからバイクがこれまたしんどそうに抜いていく。なんか、すごい道だ。道の幅も狭く、ほんとうにこんなものが国道なのかと思いたくなる。しばらく先で坂が少し緩くなっているのを見つけ、一気にがんばってのぼった。とりあえず最初の峠に到着か…
と思ったが、道はさらに上っていく。そこまでずっと両側が民家になっていたのだが少し右側が開け、景色をみることができた。さっきまでほぼ同じ高さにあったのであろう建物が、はるか眼下に見える。さすがにきつい坂を上っただけのことはある。景色はきれいだったけれど、休んでいる余裕もなく(ちょうど止まった場所がまた坂がきつくて自転車を止められる状態ではなかった)、ゆっくりと先へ進むことにした。
(つづく)
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